ユーザビリティと商品設計

商品開発を行ってくると、なかなか商品設計が決まらないことがございます。
特に、決裁者が複数いらっしゃる場合やモニター試験などを実施された場合、上手く取り纏まらないケースがございます。

まず、纏まらない理由として、問題になりやすいのは、飲みやすさなどのユーザビリティです。

解決するには、ユーザビリティの構成要素となるサイズ、粒数、味や香りなどを考慮して、総合的に判断を行う必要がございます。

弊社の経験上、サイズに関しては、350mg(好ましくは300mg)を超えない方が良いです。ただし、500mgのラグビー錠というサイズが大きくても飲みやすい剤型も存在します。

粒数に関しては、錠剤の場合、多くても8粒(好ましくは6粒)を超えない方が良いです。カプセルだと、コスト面も考慮して4粒(好ましくは3粒)を超えない方がオススメです。

味・風味に関しては、ケースバイケースです。
サプリメントや健康食品の場合、天産物(植物抽出物)の独特な味や香りを有する素材が用いられることが多く、稀に少数的な意見として製剤(特に錠剤)の味や香りが問題になることがございます。
問題視する人数が非常に少ない場合は、基本、天産物素材では当然のことであるため、味や臭いの度合いから総合的に判断し、対応の有無を決定します。

対応する場合、例えば、錠剤の商品において、商品設計変更等で対応を行う場合、味や香りの問題が解決しても、以下のようなデメリットが生じます。

錠剤 → カプセルへの剤型変更:味の問題は解決するが、多少の香りは残る。ほとんどのケースで、コストアップする。嵩比重の軽い素材であれば、摂取粒数が増え、コストアップと同時に、ユーザビリティが低下する。

錠剤 素錠 → 糖衣錠への剤型変更:錠剤の重量が約2倍になるため、コストアップし、ユーザビリティも低下する。また、様々な添加物も利用する必要が生じ、自然派の商品設計であれば、自然派の良さが失われる。

※フィルムコーティングでは、口当たりが変わる程度で、味や香りの問題は、あまり解決されません。基本、錠剤は、味わうものではないため、味や香りの程度が低い場合は、フィルムコーティングを行うのも一手です。
ただし、セラック(昆虫由来)やHPMC、トウモロコシたんぱくなどの添加物でコーティングする必要が生じます。特に、トウモロコシたんぱくは、錠剤表面が斑になりやすいので、注意が必要です。

マスキング素材の追加:錠剤のサイズアップや摂取粒数の増加より、ユーザビリティが低下する。


上記のデメリットを加味した上で、対応方法を決定いただけますと幸いです。

こういった商品設計が纏まらない場合、時には、売り時を逃してしまい、機会損失してしまうこともございます。
特に、再試作を繰り返した場合、試作コストだけでなく、機会損失につながりやすいです。
ご注意くださいませ。

なお、一般消費者からの味や香りのクレームがあった場合は、消費者対応に以下のFAQをご活用くださいませ。

サプリメントの味や香りへの対応

健康食品サプリメントOEM製造に戻る