サケ由来非変性コラーゲンの定量分析

近年、非変性コラーゲンの分析がELISA法を用いて、厳密に行われ始めています。
例えば、その影響として、鶏軟骨由来非変性II型コラーゲン原料の規格が25%から3%へと引き下げられる事象まで起こってきている。ELISA法では、わずかな変性があると、抗原あるいは抗体が酵素反応しないのだろう。
鶏軟骨由来非変性II型コラーゲン原料会社を買収したのは、製薬会社なので、当然の結果。特に、米国市場は、機能性関与成分の定量分析に対して非常に厳しい。

実際、弊社が一次代理店として取り扱う鮭鼻軟骨抽出物:SCPコンプレックス-LSに関しても、同様なことが言えます。実際、米国では、ELISA法での規格化を強く求められます。

弊社が海外で試験(Condrex社キットを使用)した際、後から米国Condrex社が示したリアクティビティー(補正係数)を加味すると、非変性コラーゲン40%の規格を満たしていることが確認できています。

Condrex: Salmon Type II Collagen Detection by Type II Collagen ELISA (Cat# 6018)

一方、福井県立大学の水田教授らの報告により、鮭鼻軟骨のコラーゲンは、II型だけではなく、XI型のコラーゲンも多く含まれることがわかっています。今までは、電気泳動のバンドは、XI型コラーゲンとII型コラーゲンのバンドが重なり合い、1つのバンドとして示されていました。現在、そのバンドを分離することが可能になり、非変性II型コラーゲンと非変性XI型コラーゲンの定性分析が的確に行えるようになってます。

実際、上記の定性分析を実施した場合、量や比率までわかりませんが、非変性II型コラーゲンと非変性XI型コラーゲンの存在の有無まで確認できます。
ちなみに、非変性Ⅱ型コラーゲンを謳っていても、バンドが確認されない原料も存在します。特に、機能性表示食品では、非変性コラーゲンの定性分析として、最低限、電気泳動法での定性分析を義務付けるべきなのです。

なお、先述のCondrex社のキットを用いた非変性コラーゲンの定量分析の結果は、非変性II型コラーゲンとされていますが、実際は、非変性II型コラーゲンと非変性XI型コラーゲンの総量と考えられます。

今後、XI型コラーゲンの存在も加味した上で、より精度の高いELISA法での定量分析を確立させる必要がございます。現在、リナイス社は、国内でも、その定量分析が可能になるよう研究開発を取り組んでおります。

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