まめ鉄:消費者 よくある質問FAQ
まめ鉄は、以下のような消費者から鉄特有の問い合わせが届きます。是非、以下の情報をご活用くださいませ。
Q1. 黒い便が出た
まず、便が黒色になった理由は、吸収されなかった鉄が酸化して黒い酸化鉄になり、その酸化鉄が便に混ざったためです。
どんな鉄も、摂取した鉄のすべては、消化管で吸収されません。鉄は、十分に足りていれば、腸管から吸収されない機構(過剰摂取の安全機構)になっており、便として排出されます。
一方、十分に足りていなくても、便秘がちの方のような腸内環境が悪い方や腸内に炎症がある方などは、鉄が吸収されにくく、排出されて黒い便になってしまう可能性がございます。いわゆる鉄を吸収しにくい方が存在します。
弊社の経験上、鉄不足を感じている方でも、慢性的な鉄不足を感じていることが多い方に多いです。
このような鉄を吸収できない方は、プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌など)やプレバイオティクス(オリゴ糖や食物繊維など)の素材と合わせて利用するのがオススメです。
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また、まめ鉄は、原料中に遊離鉄が最小限になるよう作られておりますが、極微量残留しております。加えて、まめ鉄のフェリチン鉄は、胃酸などの影響で、一部のフェリチン鉄が変性・分解し、イオン化して黒色便の原因になる可能性もございます。
そのため、空腹を避け、食中や食後の利用に切り替えた場合、改善することもございます。
なお、熱いお湯で召し上がった場合やビタミンCやクエン酸などの酸と一緒に摂取した場合、フェリチン鉄が変性・分解しやすくなる可能性がございます。お召し上がり方や食べ合わせにもご注意ください。
したがって、上記の通り、鉄を摂取して黒い便が出たのは、体の正常な働きであったり、体質的な問題であったりすることがほとんどです。上記を参考に、的確にご対応いただけますと幸いです。
Q2. 適さない飲み合わせ・食べ合わせ
鉄は、一般的に緑茶で飲んではいけないことが知られています。
イオン化した遊離鉄が緑茶のタンニンと結合して、黒いタンニン鉄を作るためです。
まめ鉄も、緑茶でお召し上がりになられた場合、黒いタンニン鉄によって黒い便が出てしまう可能性もございます。
一方で、まめ鉄には、極微量な遊離鉄を含みますが、黒い便になるほど遊離鉄を含んでおりません。したがって、それほど緑茶のタンニンの影響を受けません。
なお、まめ鉄は、緑茶以外、紅茶、赤ワイン、コーヒーや一部の青汁商品(加工方法による)でも、タンニン鉄を作ることがわかっております。少しでも吸収されたいという方は、なるべく、これらの飲み物でお召し上がられないことをオススメいたします。
また、タンニンを多く含む食品として、渋柿や栗(渋川の付いたもの)なども避けた方が好ましいです。
Q2’. フェリチン鉄も吸収阻害される?
フェリチン鉄は、80℃未満の飲み物であれば、お茶やコーヒーのタンニンと反応してタンニン鉄が作られないので、吸収は阻害されないものと推測されます。
フェリチン鉄は、タンパク質に包まれており、内部の鉄とタンニンが反応できないためです。ただし、包んでいるたんぱく質(アポフェリチン)が分解すると、吸収阻害が起こるでしょう。
※まめ鉄は、極僅かな遊離鉄が0.1%未満で存在するため、それがタンニン鉄となり黒く反応します。
なお、ヘム鉄は60℃から熱変性することが報告されているから、80℃から熱変性が始まるフェリチン鉄の方が熱には強いと言えるでしょう。
引用文献
丹羽 慎二, 泉本 勝利. ヘモグロビン誘導体の熱変性に関する速度論的比較. 日本畜産学会会報 1994;5(7) 668-673.
Jayeeta Kolay, Sudipta Bera, Rupa Mukhopadhyay. How stable are the collagen and ferritin proteins for application in bioelectronics? PLoS One. 2021;16(1):e0246180.
Q3. ビタミンCと一緒に摂取した方が良い?
一般的に、鉄は、ビタミンCと一緒に摂取すると、吸収が高まることが知られています。
そのため、ビタミンCと一緒に摂取した方が良いか?という質問も届きます。
一方、フェリチン鉄は、ビタミンCと一緒に摂取しても吸収は高まりません。
フェリチン鉄は、たんぱく質に包まれた鉄であり、ビタミンCで還元して吸収する必要のない鉄だからです。
むしろ、大量のビタミンCと一緒に摂取してしまうと、フェリチン鉄が分解してしまい、吸収が悪くなってしまう可能性もございます。
ご注意くださいませ。
Q4. 壊れたフェリチン鉄は吸収されない?
壊れたフェリチン鉄は、分解度合いによって、吸収される機構が異なってきます。
まず、分解度が低く、アポフェリチンに包まれていたコア鉄であれば、フェリチン鉄と同様、エンドサイトーシスで吸収されます。
分解度が高く、コア鉄の形態も保てていない遊離鉄などは、他の鉄素材同様、DMT1で吸収されることが報告されています。おそらく、吸収率は落ちるものと推測されます。
また、タンニンと結合し生じたタンニン鉄は、イオン化しにくいため、DMT1での吸収自身が行われにくくなります。
引用文献
A Nanoparticulate Ferritin-Core Mimetic Is Well Taken Up by HuTu 80 Duodenal Cells and Its Absorption in Mice Is Regulated by Body Iron. J Nutr. 2014;144(12):1896-902.
Pea Ferritin Stability under Gastric pH Conditions Determines the Mechanism of Iron Uptake in Caco-2 Cells. J Nutr. 2018;148(8):1229-1235.
Q5. 吸収の良いフェリチン鉄の摂取量は栄養摂取基準と同じ?
鉄素材毎に摂取量設定が行われていないため、現行法上、ヘム鉄もフェリチン鉄も、摂取量は栄養摂取基準と同量です。
栄養摂取基準は、食事から摂取することを想定して、日本人の平均的な食事から摂取するヘム鉄・非ヘム鉄の割合と両吸収率を加味して策定されています。
そのため、必然的に、フェリチン吸収率が食品の平均値と異なるヘム鉄・フェリチン鉄の鉄サプリでは、必然的に矛盾を生じてしまいます。
そこで、フェリチン鉄の過剰症について、心配される方が出てきます。
一方、フェリチン鉄であっても、耐容上限量内(成人男性:50mg/日、成人女性:40mg/日)であれば、問題ございません。米国の成人女性の摂取量が18mg/日である点からも、特に、栄養機能食品の上限10mg/日以内の摂取であれば、吸収が良い鉄であっても過剰症を気にする必要はないと言えるでしょう。
Q6. フェリチン鉄は、どれくらいの熱まで壊れない?
フェリチン鉄は、比較的熱に強いタンパクだと言われております。
一方、熱に強いといっても、100℃60分で煮沸すると完全に分解することもわかっており、加熱する場合、分解しない程度の過熱に留める必要がございます
エリザベル・タイル教授らの報告(2016年)では、80℃で10~20分であれば、フェリチン鉄は壊れないと報告されています。
そのため、80℃以上の加熱は、10分以内が好ましいです。
100℃以上の加熱や、90℃で10分以上の加熱は避けた方が良いです。
ちなみに、湯冷ましする緑茶は80℃を下回りますが、コーヒーは95℃前後(ドリップの場合、淹れたては85℃前後)、紅茶は100℃が適温とされています。フェリチン鉄を添加する場合は、徐々に温度が下がっていくので、少し温度が下がった時点での添加が好ましいと考えられます。
引用文献
Solving Biology’s Iron Chemistry Problem with Ferritin Protein Nanocages. Acc Chem Res. 2016;49(5):784-91.