インフルエンサーマーケティング市場動向

インフルエンサーマーケティングは、過去、メディアを変えながら、様々な方法で行われてきました。

まずは、2008年ごろから有名ブロガーを用いたインフルエンサーマーケティングが始まりました。
そして、ブログを活用したマーケティングは、2012年に発覚したペニーオークション詐欺事件まで、盛んに行われていました。

日本は、米国等と比べインターネット広告の法整備が追いついておらず、ステルスマーケティング(ステマ)が横行していました。

その後、インフルエンサーマーケティングとしては、鳴りを潜めるのですが、アフィリエイト広告を用いた販売は、盛んに行われていました。そして、景品表示法の規制が厳しくなり始めた2021年頃より、アフィリエイト広告も徐々に衰退いしていきます。

同時に、2010年頃からYouTubeの広告収入で生活するYouTuberが広がり始め、現在でも、多くのYouTuberが存在します。また、Instagramをビジネスに活用したインスタグラマーが多く表れ始めたのも同時期です。

2020年以降、こういったYouTuberやインスタグラマーが盛んに物販ビジネスに参入してきました。そして、年々盛り上がりを見せています。

そして、盛り上がりを見せる中、ステマ問題が再燃して社会問題化したことで、2023年10月1日から景品表示法でステマが不当表示として指定されるようになりました。現在、その規制強化の影響が徐々に生じ始めています。

インフルエンサー商品の出現

2025年に入り、それらインフルエンサーが直接商品を製造・プロデュースするケースが増えてきております。
人気YouTuberヒカルさんのNMNサプリの影響もありますが、市場における背景も影響しているようです。

その1つの理由として、一部のSNSにおいて商品紹介(従来の記事広告)でシャドウバン (Shadowban)が起こりうる可能性が高まっている状況があり、インフルエンサー記事広告が行いにくくなっているためではないか?と考えられています。また、Instagramでは、タイアップ投稿という機能が付き、広告記事と個人的なオススメが区別されるようになりました。
何れにしても、記事広告という収入源が得られにくくなっているのでしょう。

一方、インフルエンサーがプロデュースしているケースや公式アンバサダーとして紹介さえている場合は、除外されているようです。むしろ、こういったタイプの販促活動の方で効果が出ているようです。
ヒカルさんのNMNサプリやレピールオーガニックの安田美沙子さん・志村美希さんが代表例であり、商品紹介が盛んに行われています。

近年、SNS等は、いろいろな場面でAIが働いています。おそらく、特定商品の記事紹介が同じタイミングで複数行われると、広告であると告知していない限り、ステルスマーケティングであるとSNS等に認識されているものと予測しております。

日本では、先述の通り、ステルスマーケティングが野放し状態だったのですが、各メディア(SNS等)が対応せざる負えない法律となり、その規制がAIによって行われ始めたのではないか?と考えられます。

この局面では、インフルエンサーの広告収益が減るので、新たな収益源を得るために商品を作ったりプロデュースしたりする動きが強まっているのでしょう。

これから数年は、確実に、こういったインフルエンサーの商品が数多く出現してくるでしょう。


記事筆者

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO
SloIron Inc. 取締役(Stockholder)、順天堂大学医学部 総合診療科 研究員。株士会社ホルス 学術顧問

SBCグループの通販事業の立ち上げにも携わり、複数のクリニック顧問を兼任しながら多くのクリニックサプリの製造にも携わる。広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。…もっと詳しく