まめ鉄 SloIron 文献6

Restorative effect of bean ferritin iron on low hemoglobin level in Premenopausal Women with Menstruation-Induced Anemia: A randomized, double-blind placebo-controlled intergroup trial

Ryuji Takeda*1, Yuji Kuriyama*2, Yasushi Yoshida*2
*1: Faculty of Health Sciences for Welfare, Department of Nutritional Sciences for Well-being, Kansai University of Welfare Sciences
*2: Department of General Medicine, Juntendo University School of Medicine

Abstract

Background: Recently, bean ferritin has been attracting considerable attention as a new source of iron, that is available to vegetarians. Although high rates of iron absorption and bioavailability from this protein have been reported, clinical data on its efficacy remain scarce.

Objective: In this study, we administered bean ferritin iron to premenopausal Japanese women for nine weeks, starting immediately after menstruation, to evaluate their recovery from low hemoglobin levels as one sign of anemia.

Methods: Participants in the test supplement group received an iron intake of 5 mg from one capsule containing bean extract (SloIron®) for five weeks, which was increased to 10 mg (i.e., two capsules) from the 6th to the 9th week. The study evaluated the change in hemoglobin levels as the primary endpoint, and hematocrit, red blood cell count, serum iron, MCH (mean corpuscular hemoglobin), MCHC (mean corpuscular hemoglobin concentration), serum ferritin, TSAT (TIBC), serum zinc, serum copper, anemia symptoms questionnaire, OSA sleep inventory, and the anti-fatigue questionnaire as the secondary endpoints.

Results: Our results showed a significant difference (P=0.03) in the change in hemoglobin levels between the groups after nine weeks of intake, confirming the restorative effect of bean ferritin on low hemoglobin levels caused by menstruation. Moreover, a significant difference (P=0.01) was observed in the amount of change in MCHC between the two groups after five weeks of intake, and after nine weeks of intake, a significant difference in the change in both MCH (P=0.02) and MCHC (P<0.01) was observed between the groups. A significant difference (P=0.03) was observed in the change in serum ferritin levels after nine weeks of intake.

Conclusion: The study confirmed that iron supplementation from bean ferritin is an effective treatment for low hemoglobin and low ferritin levels caused by menstruation.

要旨(和訳)


グラフィカルアブストラクト

月経誘発性貧血の閉経前女性の低ヘモグロビン値に対する豆フェリチン鉄の回復効果:ランダム化二重盲検プラセボ対照群間試験

背景: 近年、豆由来フェリチン鉄はベジタリアンが利用できる新しい鉄栄養源として非常に注目を集めています。 このタンパク質に包まれた鉄は、高い鉄吸収率と生物学的利用能が報告されていますが、その有効性に関する臨床データは依然として不足しています。

目的: この研究では、貧血の症状の 1 つである低ヘモグロビン値からの回復を評価するために、閉経前の日本人女性に月経直後から 9 週間豆由来フェリチン鉄を摂取しました。

方法: 被験食品群の被験者は、豆抽出物 (SloIron®)を含むカプセル 1 粒から 5 mg の鉄分を 5 週間摂取し、6 週間目から 9 週間目までは 10 mg (つまり 2 カプセル) に増量されました。 この研究では、主要評価項目としてヘモグロビン値の変化を評価し、副次評価項目としてヘマトクリット、赤血球数、血清鉄、MCH(平均赤血球ヘモグロビン)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)、血清フェリチン、TSAT(TIBC)、血清亜鉛、 血清銅、貧血症状アンケート、OSA睡眠インベントリ、抗疲労アンケートも評価しました。

結果: 本結果では、9週間の摂取後のグループ間のヘモグロビン値の変化に有意な差(P=0.03)を示し、月経によって引き起こされる低ヘモグロビン値に対する豆由来フェリチン鉄による回復効果が確認されました。 また、5週間摂取後ではMCHC変化量に両群間で有意差(P=0.01)が認められ、9週間摂取後ではMCHC変化量(P=0.02)とMCHC 変化量(P<0.01)において両群間での有意差が認められた。 9週間の摂取後の血清フェリチン値の変化には有意差(P=0.03)が確認されました。

結論: 本研究により、豆由来フェリチン鉄からの鉄補給が、月経によって引き起こされる低ヘモグロビン値および低フェリチン値の効果的な治療法であることが確認されました。

Functional foods in health and disease 2024; 14(3): 169-183
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コメント


フェリチン値は、医薬品の鉄剤(経口)の場合、100mg/日程度で投与され、血中フェリチン値が正常になるまで3~4週間かかるとされています。
鉄としての摂取量を加味すると、比較的早い段階で血中フェリチン値の回復が認められていると思われます。

また、月経によりヘモグロビン値が低下した状態では、1日あたり鉄として5mgより10mgでの摂取の方が好ましいことが示唆されています。

北米では、成人女性の摂取量は1日あたり18mgですが、日本は、その約半分の10mgです。
(本試験の査読でも、海外の査読者から、10mgでも量が少ないという指摘を数多く受けました。)
月経などによって鉄欠乏や隠れ貧血の症状がある場合は、本試験におけるヘモグロビン値や血中フェリチン値の回復幅より、1日あたり鉄10mg程度の摂取が好ましいと考えられます。

まめ鉄の供給量と鉄配合量の関係を調べてみると、圧倒的に1日あたり鉄として10mg配合している商品が売れており、それら鉄10mg配合商品だけで原料供給量の8割以上を占めています。
売れている1日10mg設計の商品は、リピート率も高い傾向が示されています。
鉄として1日あたり10mg摂取した方が体感も得られやすく、商品のリピート購入(高LTV)に繋がりやすいことを示唆しているものと思われます。

リピート率やLTVが高ければ、通販事業も黒字化しやすいことが通販方程式でも示されており、おそらく、まめ鉄の商品でも1日あたり鉄10mg設計の商品の方が成功しやすいのでしょう。

一方、販売者様がベースサプリの【適正原価率】を見誤まってしまうケースが多く、コストの関係上、1日あたり3~5mgの商品も存在します。

何れにしても、鉄サプリの鉄の配合量は、広告費用対効果やリピート率(LTV)にも大きく影響しますので、適正原価率(鉄の単味商品であれば30~50%)を見誤らないよう注意が必要です。

なお、現在、優良誤認(景品表示法違反)対策として、まめ鉄の使用条件では、他の鉄素材を配合した場合、まめ鉄の商標利用が禁止されています。また、まめ鉄由来の鉄量が他の鉄由来の鉄量を上回ることが新たな条件として加わております。鉄10mg設計で商品化を検討される場合は、ご注意くださいませ。

【追記240422】
紅麹問題により、新規集客効率がガタ落ちし、業界全体の売上が低下したと実感しております。その中でも、鉄10mg/日の商品と鉄3mg/日(最低量)の商品では、かなり明暗が分かれています。鉄10mg/日の商品は、リピート率や高LTVで勝負しているため、ダメージは少ないようです。一方、鉄3mg/日の商品では、新規顧客が獲得できず、大きなダメージを受けているようです。

また、例えば、ヘム鉄の商品などは、主にベースサプリに属する商品群であり、原価率も50%を超える商品も多く存在し、高原価率の商品群です。弊社の調査では、特に、1日あたり鉄10mg/日の商品(栄養機能食品)は、ほとんどが高原価率の商品群です。一方、自然リピート率やLTVが高いため、安定的な収益源になっているケースも多いです。
前例に囚われず、商品毎の適正原価率を加味して、勝っていける商品開発を行っていくべきなのでしょう。

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