エクオール商品の製造について
エクオールは、弊社がジオスゲニン原料(ジオパワー15)を取り扱うことから、製造依頼の問い合わせの多い原料の1つです。
一方、弊社では、エクオール原料を用いた製品の供給が困難であるため、その理由等を本ページでご説明させていただきます。
エクオール原料の供給について
まず、エクオール原料の製造は、大塚製薬株式会社と株式会社ダイセルが行っております。ただし、大塚製薬株式会社は、原料供給を行っておらず、株式会社ダイセルが原料供給を行っております。
大塚製薬株式会社は、同社が保有する特許6275313号(エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品)による特許侵害で、株式会社ダイセルを提訴しております。
そして、2020年9月17日、株式会社ダイセルが勝訴しております。
▶ エクオールに関連する特許権侵害訴訟判決のお知らせ(株式会社ダイセル)
一方、現在も、株式会社ダイセルにおけるエクオールの原料は、使用を希望する販売者を吟味して供給が検討されており、事実上、新規の供給が自由に行われていない状況です。おそらく、受託加工会社からの原料調達は非常に困難であり、販売者様が直接交渉していただき、株式会社ダイセルに判断を委ねるしかないと状況です。
現状、原料供給は、上場企業や一部の医療系企業に限定されており、株式会社ダイセルから中小企業への原料供給されておりません。大手企業のエクオール商品が増えない点から、新規の原料供給は、ほぼ行われていないものと考えております。
また、中小企業の商品において、エクオールを謳う商品も存在しますが、実際、エクオールの含有量表示を行っていない商品がほとんどです。
実際、エクオール乳酸菌のようなエクオールを微量含む原料も流通しており、そのような原料が配合されれているものと予測されます。
なお、エクオール含有量を書かずに、エクオール商品として販売することは、景品表示法(優良誤認)に抵触する可能性が高く、弊社では、エクオールが含有量が少なくても必ず含有量を表示していただいております。
エクオールの代替原料
弊社では、エクオールの代替原料として、弊社のジオスゲニンも利用されますが、大豆イソフラボン(特にダイゼインリッチな原料)と共に用いられることがほとんどです。エクオール乳酸菌のような原料を利用して、エクオールを謳うのも一手です。ただし、非常に高価な原料のため、割高な商品になりやすい点は、ご注意くださいませ。
過去には、プエラリア・ミリフィカやブラックコホシュも利用されましたが、一定の表示が必要な指定成分に指定されたため、利用されるケースもほとんどなくなっております。
ジオスゲニンも、動物試験や閉経女性によるヒト臨床試験(ジオスゲニン配糖体を含むヤム芋として)によって性ホルモンの上昇が確認
されております。一方、ジオスゲニンは、性ホルモンの中間体であるDHEAの前駆体であるため、エクオールほど直接的な女性ホルモン様作用はないものと推測されます。
一方、ジオスゲニンは、性ホルモン以外への分化の可能性やビタミンD3受容体結合物質としての可能性(認知機能改善の機能性は実証済)も持っており、更年期対策等に限定しないトータルアンチエイジング素材として、ご活用いただくことをオススメしております。
引用文献
村木悦子, 千葉大成: 浦上財団研究報告書 15:75-90
Wu WH, Liu LY, Chung CJ, Jou HJ, Wang TA. Estrogenic effect of yam ingestion in healthy postmenopausal women. J Am Coll Nutr. 2005 Aug;24(4):235-43.
大手企業の市場動向
近年、大手企業では、オリジナル原料の自社開発が盛んに行われています。大塚製薬株式会社のエクオールの研究は古くから行われているのですが、乳業メーカーなどが古くから行っている研究ベースを活かした機能性プロバイオティクス原料(機能性表示食品対応)を開発しています。
カネカの還元型コエンザイムQ10も、その1つであり、原料供給しながらも、他社では太刀打ちのできない価格の商品で通販展開されたりもしています。また、味の素は、Mankai®[マンカイ]という原料を自社商品向けに海外原料メーカーと独占契約を行い、通販展開し始めたりもしています。
健康食品サプリメント業界が成熟した現れです。
そういった状況の中、中小企業が勝っていくためには、原料メーカーとの協力関係を強固にし、勝ち残っていけるような商品作りを行っていく必要があるのです。