たもぎ茸由来/発酵法 エルゴチオネイン

エルゴチオネインとは、キノコなどに含まれるスーパーアミノ酸の1つです。エルゴチオネインは、硫黄を含んだ含硫アミノ酸の1つであり、抗酸化作用が強く、活性酸素の害として生じるDNA損傷や過酸化脂質生成を防ぐ作用が期待されています。

このエルゴチオネインは、一部のキノコ(ヤマドリダケ:528.1mg/kg、ヒラタケ118.9 mg/kg)に限らず、オーツブラン(4.4mg/kg)、黒インゲン豆(10.5mg/kg)やレバー(8.7~10.8 mg/kg)にも多く含まれていることが知られています。

フィトケミカルとしてのエルゴチオネイン

硫黄を含む成分は、機能性が高いことが知られており、特に、硫黄を含む植物成分フィトケミカルは、体に良いことは常識になりつつあります。

硫黄を含むフィトケミカルの例
・ニンニクのアリシン
・マカのイソチオシアネート
・ブロッコリーのスルフォラファン
・黒ニンニクのアセチルシステイン
・ネギや玉ねぎのアイリン       など


その含硫フィトケミカルの中でも最も注目されているのが含硫アミノ酸であり、少量で高い機能性を発揮するのが特徴です。そのため、含硫アミノ酸や含硫アミノ酸化合物の中には、システイン、タウリン、グルタチオンやS-アデノシルメチオニン(SAMe)のように医薬品として使用されているものも存在します。

他の抗酸化物質との違い


エルゴチオネインの特徴は、
1. 大量のOHラジカルを高速で消去できる高い抗酸化能を有するのにもかかわらず安全である点
2. 細胞内に取り込まれ細胞内で働く点
3. 各組織に長期保持されて長く働く点
の3つです。

このような特徴から、少量での摂取でも有効性が期待されます。持続型アミノ抗酸化物質とも言えるでしょう。

エルゴチオネインの機能性

1. サーチュイン活性

エルゴチオネインは、レスベラトロールなどと同様、SIRT1やSIRT6などのサーチュイン(長寿遺伝子)の発現が確認されています。
今後、サーチュイン活性を介した機能性が数多く報告されることが予測されます。

Nunzia D’Onofrio, Luigi Servillo, Alfonso Giovane, Rosario Casale, Milena Vitiello, Raffaele Marfella, Giuseppe Paolisso, Maria Luisa Balestrieri. Ergothioneine oxidation in the protection against high-glucose induced endothelial senescence: Involvement of SIRT1 and SIRT6. Free Radic Biol Med. 2016;96:211-22.

2. 抗酸化作用

エルゴチオネインは、Cheahら(2017年)によって、ヒトで取り込み、代謝、および酸化的損傷と炎症のバイオマーカーへの影響が評価されています。
そして、酸化的損傷と炎症のバイオマーカーに減少傾向が認められています。

Irwin K Cheah, Richard M Y Tang, Terry S Z Yew, Keith H C Lim, Barry Halliwell. Administration of Pure Ergothioneine to Healthy Human Subjects: Uptake, Metabolism, and Effects on Biomarkers of Oxidative Damage and Inflammation. Antioxid Redox Signal. 2017;26(5):193-206.

【Cheahら(2017年)の報告概要】
健康なヒト被験者への5mgまたは25 mgのエルゴチオネインを 7 日間経口投与し、エルゴチオネインは、体に多くが吸収・保持され、血漿および全血濃度が大幅に上昇し、尿中排泄量が比較的少ない(投与されたエルゴチオネインの4%未満)という結果が細目されました。血中エルゴチオネインレベルは、ヘルシニンおよびS-メチル-エルゴチオネインのレベルと高い相関があり、代謝物である可能性が示されました。エルゴチオ投与後、アラントイン(尿酸酸化)、8-ヒドロキシ-2′-デオキシグアノシン(DNA損傷)、8-iso-PGF2α(脂質過酸化)、タンパク質のカルボニル化およびC反応性タンパク質など、酸化的損傷と炎症のバイオマーカーに減少傾向が認められました。ただし、ほとんどの減少傾向では、有意差が示されませんでした。

3. 認知機能 ※たもぎ茸由来原料で特許あり

エルゴチオネインは、ヒト臨床試験で認知機能改善の有効性が示さています。
※特許(特許第7281031号)が取得されておりますので、原則、弊社が取り扱うエルゴチオネイン原料では、認知機能を謳う商品を製造することができません。

渡邉 憲和、松本 聡、鈴木 真、深谷 泰亮、加藤 将夫、橋弥 尚孝:健常者および軽度認知障害者に対するエルゴチオネイン含有食品の認知機能改善効果―ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験― 薬理と治療 2020; 48(4): 685-697.

健常者および軽度認知障害者に対するエルゴチオネイン含有食品の認知機能改善効果
【要旨】
目的:エルゴチオネインはキノコ類に多く含まれる親水性アミノ酸であり、抗酸化作用、神経新生作用、記憶改善作用などを有することが報告されている。本研究ではヒトの認知機能に対するエルゴチオネインの効果を調べることを目的とした。 方法:本研究は、52名の被験者(軽度認知障害者を含む男性18名、女性34名)に対してランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。被験者は被験食品としてエルゴチオネイン5mgを含有するタブレットまたはプラセボとしてエルゴチオネインを含まないタブレットを摂取した。摂取前、摂取開始からから4、8、12週間後にCognitraxによる認知機能テストを実施した。 結果:エルゴチオネイン摂取は認知機能速度においてプラセボ群に対して有意に改善していた。また機能性表示食品の認知機能領域の対象被験者において言語記憶、単純注意力および持続的注意力においてプラセボ群に対して有意な改善を示した。試験期間中、被験食品に起因する有害事象は認められなかった。 結論:エルゴチオネインの継続的摂取は健常人及び経度認知障害者に対する認知機能改善が示された。

エルゴチオネインの安全性

エルゴチオネインは、合成の製品にて、ラットにおける 2 件の亜慢性毒性研究に基づいたNOAELは800 mg/kg/dayと報告されています。

なお、エルゴチオネインは、令和3年11月1日、 医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リストに追加されています(薬生監麻発1101第2号)。エルゴチオネインの食薬区分を審議した有識者らは、「多くの食品に含有されており、安全性にも問題があるとは考えられない」と判断しています。

How to エルゴチオネイン

エルゴチオネインの1日あたりの摂取目安量は5~10mgです。

錠剤・カプセル・顆粒など、幅広い剤型に適しています。
ただし、水溶性の成分ですが、ドリンク等での安定性データがないため、ドリンクやゼリーなどの用途は、現段階においてオススメできません。

エルゴチオネインは、現段階において、知名度は高くありません。非常に覚えにくい成分名であり、認知度が高まるまでかなりの時間を要すると予測されます。

したがって、クローズド販路向けの商品には向いていても、オープン販路では、売りにくいと予測されます。特に、主材としては、時期早々。
一方、少量の摂取で機能性も期待できる成分のため、副材として利用するにはオススメです。

商品カテゴリーとしては、美容系ではなく健康系アンチエイジング商品に適していると思われます。

たもぎ茸由来 or 発酵法

弊社では、たもぎ茸由来の原料と発酵法で製造された原料の2種類を利用しております。
※原料での販売は行っておりません。

現時点では、エルゴチオネイン1%あたりのコストは、大きな差がありませんが、今後、発酵法の原料は、価格が下がってくる可能性があります。
エビデンス重視や機能性表示食品対応という点では、たもぎ茸由来の原料の方が優位性が高いです。現時点では、発酵法というイメージ以外に、発酵法の原料の優位性はございませんが、今後、コストの優位性が出てくるでしょう。

なお、認知機能系の商品に関しては、たもぎ茸由来の原料で、以下のような請求項で、特許が取得されています。発酵法の原料を使用する場合、注意が必要です。

L-エルゴチオネインを有効成分として含有する、加齢に伴う、単純注意力及び持続的注意力に基づく注意力低下の改善用の組成物。


味の有無による適正剤型や他の原料との組み合わせで、適性な原料も異なってきます。
細かい使い分けに関しては、弊社OEM営業担当にご相談くださいませ。

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