OEM製造って何?

OEM製造(Original Equipment Manufacturing)とは、受託加工会社(通称:OEM会社)が依頼者であるお客様(販売会社;依頼会社)の商品(他社ブランド)の製造・供給するものです。健康食品サプリメントの場合、主にオリジナルの商品設計・デザインで、依頼者のお客様の好きなように作られます。
※健康食品サプリメントのOEM製造では、受託加工会社が商品設計などの提案も行うODM(Original Design Manufacturing)が一般的に行われています。

そんため、原則、製造商品の全品買取での取引条件であり、売り切れなかったとしても、納品後に商品の返品ができません。

OEM製造に初めてチャレンジされる一部の方は、返品可能な仕入れ商品の購入と混同されることがあります。
OEM製造特有のメリット・デメリット・注意点などがございます。OEMを依頼される会社様の規模でデメリットに対するリスクの度合いなどが異なってくるのですが、中小企業や個人事業主のお客様は、それらを良く理解していただいた上で、OEM製造にチャレンジしていただく必要があります。

OEM製造のメリット・デメリット

さて、多くのお客様は、なぜ、OME製造をなされるのでしょう?
今まで仕入れ商品の販売を行っていた方(中小企業や個人事業主)の場合、以下のような理由でOEM製造を検討されます。

1. 完全オリジナルの商品設計で販売したいため
2. 利益率の改善
3. 販売価格の改善
4. たくさん売るため

仕入れ商品の場合、納入価格が定価の40~60%に設定されているケースが多いです。その代わり、ケース単位や数個単位など、小ロットで購入できるという仕入れ商品のメリットがあります。
一方、OEM製造の商品であると、今まで仕入れていた商品の価格より安く仕入れることができます。例えば、今までの購入していた商品価格の半額以下で仕入れることもございます。

お客様によっては、利益率を高められるケースもありますが、販売価格を下げて売りやすさを強化されるケースもあります。要するに、OEM製造には、お客様が売りたい価格での販売が自由にできるというメリットがあるのです。

また、OEM製造は、商品を作る販売者さんが製造の最小ロットで在庫リスクを負うことになります。製造した商品の代金も、先行して払うことになります。安く仕入れれても、仕入れ商品購入ビジネスにはないデメリットでもあります。

この最小ロットは、各OEM会社さんで異なります。1000個という会社さんもあれば、2000個という会社さんもあります。弊社は、一定の条件(主に高額商品)の制限付きで500~635個くらいから供給しています。

この最低ロット量を賞味期限内に売り切れないと、不良在庫となってしまい、損失となってしまいます。
売り切れる自信のある量を製造する必要があるのです。

OEM製造商品リスクとマネージメント

我々OEM会社も、原料の安全性データや過去の事例などから評価し、安全な商品設計を提案しておりますが、オリジナル商品設計になると、商品設計の責任は、販売会社が中心となります。もちろん、製造上の責任は、製造者になります。
そのため、多くの販売会社様は、万が一の健康被害事象に備えて、年間数万程度でもPL保険(生産物賠償責任保険)に入られます。もちろん、弊社も、リコール特約付きのPL保険に加入しております。

商売には、リスクがつきもの。
健康食品サプリメントのOEMの場合、かなりむちゃな商品設計を行わない限り、健康被害が生じることはありません。
リスクは的確にマネージメントすることが重要です!

一方、想定外のトラブルも生じることがあります。
例えば、利用者の原因不明のアレルギー症状や体調不良。その日の体調や食べ合わせによってもトラブルが生じる場合があります。
また、特にアフィリエイト広告などを用いた場合、こういったアレルギー症状や体調不良を訴えて返品要求するような事例も確認されています。

販売会社さんは、仕入れ商品販売ビジネスと異なり、OEM製造された商品の設計に対するリスクはゼロではありません。そこは、利益率が高くなる分のリスクです。

販売後も付きまとう様々なリスク

健康食品・化粧品を販売する場合、関連法規の順守が重要になってきます。
例えば、販売上、〇〇に効くなどというような表現は、薬機法に抵触します。また、商品を実際より良く見せるような過剰な広告表現を行うと優良誤認(景品法事法違反)として、消費者庁から指導を受けてしまいます。景品表示法による課徴金として、罰金を科せられるケースも出てきております。

販売開始後、当然、販売リスクというものが生じます

そして、そのリスクは、販売を強化すればするほど高まります。広告の出稿数を増やせば、目立ちますので、消費者庁などからチェックされる可能性もの高まります。

広告規制は年々強化される一方です!

2021年8月には、改定された薬機法が施行され、薬機法でも課徴金が課されるようになっています。この薬機法での広告規制では、景品表示法と異なり、広告会社やアフィリエイターなど、販売者以外の広告に係る会社・個人も処罰される可能性が生じています。

ちなみに、広告媒体によって、考査レベルも、消費者庁からチェックされやすさも異なります。近年は、アフィリエイト広告の免責も販売者(広告主)に求められるようになるなど、インターネットでの広告表現が厳しく指導される時代となっています。
過去は、インターネットの広告考査が緩いと言われていましたが、現在、そうとも言い切れない現状がございます。
広告規制は、時代によっても変化します。

販売を行っていくにあたり、このリスクは、クリエイティブ(ランディングページや広告原稿など)のレスポンスを追うのと同時に、的確に管理していく必要があります。守り過ぎても、レスポンスが出ず、売上も伸びません。
常に、法に抵触しない上手な売り方を学び続ける必要があるのです。

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記事筆者

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO
SloIron Inc. 取締役(Stockholder)、順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。…もっと詳しく